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【連載:chez Nicole(シェ・ニコール)】vol/07-番外編 :こころの元旦に思う事

post date:2016.12.14

3年前の12月14日、私は花修行のためパリに降り立ちました。

それから、わたしの心のカレンダーは1月1日始まりではなく、12月14日が元旦になっています。

たまたま、今回の更新が12月14日なので、いつもの「我が家の花事情」ではなく、私自身のことを書かさせて頂きました。
(…お時間のゆるす方、お心の優しい方、お付合い頂けましたら幸いです。)

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流行のファッションに身を包み、友だちとちょっと背伸びしたレストランで食事をして、
曜日関係なくプライベートを楽しんでいた20代半ば。

強い不満があるわけでもなく、むしろ20代という特有な時間を1滴もこぼさずに謳歌しようと、
ある意味一生懸命に毎日を過ごしていました。

しかし、少しずつ、ここで変化を起こさないとずっとこの人生で終わってしまう
もしかしたら もっと自分らしい生き方があるのではないか
と、漠然とした不安と可能性に対する好奇心が頭にすみつく様になりました。

あれかな?これかな?と闇雲に可能性を探しては、さらに迷子になるという期間を経て、
ある日、今までの点在した経験と大切にしている価値観が結びついて、ついに「花屋」という道が広がりました。

自分の目指すものの輪郭が明確になってから今日までは、
まさにあっという間のスピードで過ぎて行ったように思います。

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3年前の早朝、シャルル・ド・ゴール空港に降り立ち、はち切れそうなボストンバッグと
超過料金を払ったスーツケース2個を引っさげてタクシーに乗り込んだ時の、
ようやくここに来れたという喜びや期待、何よりもやる気に満ち溢れた感情は、
今も胸がきゅっとなるほど鮮明に覚えています。

パリでの暮らしは、自分の人生がようやく動き出した様な、
いや、間違いなく私の人生のターニングポイントであり、人生の宝物の時間となりました。

尊敬する大好きなお花屋さんとフローリストの方々をめがけてパリへ渡ったのですが、
花の知識・経験だけでなく、わたしの人生・生き方に必要な考え方や心持ちを教えてもらいました。

例えば、タイミングの掴み方だったり、物事を取捨選択するときのポイントなど、
私の思考を構成する部品のルーツを辿るとここに到着するものが多くあります。

しかし、鼻息荒くガツガツと行き過ぎて、凝り固まった「岩」のようにならずに済んだのは、
フランスならではの豊かな人生の捉え方を同時に学べたおかげです。

花を持って歩けば、すれ違う人たち(もちろん見知らぬ人)に
「私へのブーケ♪?」「ぼくにプレゼント〜?」と笑顔で話かけられたり、
電車の中で単語を勉強していたら、周りの人達が発音を教えてくれたりと、
都会とは思えぬ人懐っこさで接してくれて、独りの時間も必ずコミュニケーションがありました。
(ほとんどの人がスマホに吸い込まれそうになっている日本の電車内の光景とは大違いですね…)

ある日、私が今日はいいお天気だね!と言うと
「そうだね、光の綺麗な日だね。だから、あそこの影も素敵に映っているよ」と応えが返ってきた時には、
同じ景色を見ているのにこんなに視点が違うのかと驚きました。

今まで、目の前にあるものを当たり前に思いすぎていて、見過ごしてしまった「素敵なものたち」がどれがけあったのだろうかとハッとさせられました。

そういう日常の楽しさだったりときめきは、
余裕のない心では粗いザルの目のようにスッとすり抜けて気づかず流れて行く。

普通の毎日の価値を決めるのは、自分の心のあり方次第なんだとその時に気付きました。

私が部屋にお花を飾るのも、そういう理由。
特別な何かをしなくても、好きなものがある空間で時間を過ごすだけで
なんか気持の良い一日だったなと思えるし、
そのお花を見たり、水換えをすることで我に返って心の余裕を取り戻すことができます。

人それぞれ、コーヒーのある暮らしだったり、パンかもしれないし、映画かもしれないけど、
心を豊かにしてくれるアイテムがあるのはありがたい。

パーティなんかなくても、いつも通りの毎日が愛おしいと思えるのは、
あの時より年齢を重ねたからではなく、花屋への転身に付随して得る事ができた
出会いと経験によって、ささいな喜びに気付ける心になったからだと思います。

新しい一年もお花の力をかりながら、目の前のものがしっかり見える心で毎日を過ごしていきたいです。

花を通してひとりでも多くの方へ心の栄養をお届けするために。

そして、感謝してもしきれない沢山の方々への気持とともに。

 
 
 
 

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フラワーデザイナー
太田 美際 / migiwa OTA


 
IT企業で勤めた後、花修行のためパリへ渡る。現在は、フリーランスにてギフトフラワー・装花・ワークッショプの開催などを行う。
 
HP:http://migiwao.com
IG:jardin_de_muguet
 
 
 
 


●「chez Nicole(シェ・ニコール)」とは・・・
フランス語で「ニコールの家」という意味です。
パリでの花修行中、「migiwa」と覚えられなかったムッシューが私を「ニコール」と命名しました。
お隣さんはどんな風にお花を飾っているんだろう?という感じでchez Nicoleをのぞきにいらして下さい。
ちなみに「ニコール」という名前は、わりと古風な名前の様で今の若者たちにはあまりいない名前だとか…

編集長

編集長【写真】

Noriko Hirose

航空会社の客室乗務員から、アルマーニ・ジャパンに入社、アパレルの世界へ。タレントのスタイリストをしながら、自ら企業広告のモデルを務めることも。現在は“女子力”を提案するライフスタイルプロデューサーとしてイベントや商品のプロデュースをはじめ、ファッション、ビューティー、ライフスタイル情報を雑誌・ブログ等で発信している。
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