【連載:THE DAY】vol.69-WALKING
post date:2019.07.16
本日、私がこの世界に生まれて34回目の誕生日を迎えました。
ここ数日、目には見えないし、特に大きな出来事もなかったのだけど、
静かに一段ずつ階段を登っているかのような感覚で、今日という日を静かに迎えて、
心の中ですごく納得したの。
そんなお話をさせてくださいね、記録にね。
まだ10代にも満たない頃は、早く「10年前はね」ってセリフを使いたくて10代に憧れました。
10代になってからは、そんなセリフにもっと重みが欲しくて、20代に憧れました。
20代、10代の頃には分からなかった、社会という波に揉まれ、早く誰にも怒られない大人になりたいと思いました。
30代、誰かに叱ってもらえることに、気にかけてもらえることに、健康で生きていることにありがたみを感じています。
ここ数ヶ月、今までのバタバタ、そわそわしていた日々が嘘のようにとってもゆっくりと、
私を取り巻く空気が変わりました。お仕事の量に関係なく、言葉で説明するのがなかなか難しいのだけど、
今までいつでも立ち上がれるように中腰で過ごしていたのが、お尻を地面につけて座るようになったというか。
忙しい中でも目をつむり、ゆっくりと物事を考えられるようになったというか、とても不思議な感覚。
そんな変化に、内心どうしちゃったのかなと不安だったんです。
やる気がなくなっちゃったのかな?体調崩してしまったのかな?
でも、誕生日を迎えてあぁ、自分自身で見えないステップをゆっくりと踏んでいたのね、と
妙に納得しました。
がむしゃらに二人三脚をしてきた息子の背中をふと、離れたところで見てみたり。
両親への感謝の気持ちが素直に言葉にできるようになったり。
祖父から受け継いだ不格好な手がとても愛しい宝物に思えたり。
季節の変わり目の匂いを感じたり。
今までは立ち止まらなかった人生の駅に、気づいたら沢山下車しては、
一つ一つ景色を焼き付けているような感覚。
人生、全速力で走ることもあれば、
上りのエスカレーターを下るように、どれだけ歩いてもたどり着けない時もあって、
立ち止まってひたすら風をあび、行き交う人を見ているだけの時もある。
どれも自分の人生で、どれも自分の歩みで、素晴らしい。
そんな風に思えるまで34年間かかったけれど、
生かされている人生から、生きているという人生に変わってきたのかな。
本当の意味で自分の人生を生きる日々になるんだろうなぁ、これから。
大人になるって、そういうことかなって思う今日この頃。
生まれてこれた幸せ、
人生で関わってきた全ての人に出会えた幸せ、
沢山の幸せは、私の両親から始まっています。
ありがとう。
2019.07.16
愛を込めて
AYAKA FUKANO
AYAKA FUKANO(絵描き) 東京生まれ。思春期の多感な時期をドイツで過ごし、アートに初めて触れる。 幼い頃からの感受性の強さをアートにぶつけ、世の中に溢れても困らない愛を伝える。 instagram:ayahundred |
Nstyle主宰。航空会社の客室乗務員から、アルマーニ・ジャパンに入社、アパレルの世界へ。その後、タレントのスタイリストとして活動。現在は“女子力”を提案するスタイルプロデューサーとしてイベントや商品のプロデュース、ファッションブランドコンサルティングをはじめ、ファッション、ビューティー、ライフスタイル情報を雑誌・ラジオ等で発信している。
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