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Vol.19[濱七彩子さん]旅先での出逢いが人生を大きく変えた!旅の途中で一目惚れしたコロンビアの ワユーバッグを日本に。

post date:2017.09.05

今や世界中のファッショニスタやハリウッド女優にも人気の『CHILA BAGS』。ボヘミアンでカラフルなこのバッグを優しくなでながら、CHILA BAGS との出逢いやサラリーマンを辞めて日本の代理店になるまでの経緯を、一語一語丁寧に、熱く語って下さった CHILA BAGS 日本代理店代表濱七彩子さん。一見物静かで笑顔の素敵な濱さんはどんな風にブランドオーナーを口説き、日本代理店になったのでしょうか?

— 『CHILA BAGS』との出逢いはどこだったのですか?

濱さん:実は2年前までレコード会社でサラリーマンをしていたのですが、旅行が凄く好きだったので仕事の合間に休みを取ってよく旅行に行ってたんです。
そうすると各地で、まだ日本で見た事の無いような素敵なアクセサリーだったり、バッグに出逢う事があって、それを少しづつ集めてオンライン販売をするような事をやってたんです。それでロサンゼルスを旅しているとき、セレクトショップでこのワユー族のバッグを見つけて、「これなんだろう」「かわいい!」からネットで色々と調べているうちに、この『CHILA BAGS』に出逢いました。

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— どの辺に惹かれたのですか?

濱さん:元々アジア、インド、中東、ドバイなどを旅するのが好きで、ボヘミアンな感じのテイストが好きだったんです。だから本当に一目惚れだったんですが、外見の可愛さはだけじゃなくてその可愛さをコロンビアの民族が手編みで作っているというところに凄く魅力を感じました。

— それからすぐに日本の代理店のオファーをされたのですか?

濱さん:いえ、最初はオンラインショップでちょっと販売してみたいと言う事でコンタクトを取ったのですが、販売していくうちにやっぱりこの商品は実際にお客様に手に取って頂いた方が、手編みのぬくもりやストーリー、魅力が伝わるのではないかと思って。そしたらもう私が代理店になって小売店様にこのバッグの背景からしっかりとご紹介して日本に広めていきたい!って思ったんです。

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編み方は基本的に2種類。シングルスレッドと呼ばれる編み方は一本の糸をすくって編んでいく為バッグ一つを作るのに約一ヶ月かかる。

— それから代理店になりたいというオファーをされた訳ですね。すんなり OKがでましたか?

濱さん:それが、代理店をやりたいんだという事を伝えたのが実際にスタートする一年前で、私が代理店の経験が全くなかったのもあって、今から思えば当たり前なんですけど最初はなかなか首を立てには振ってくれなくて・・・。

— オーナーさんはコロンビアの方なのですか?

濱さん:そうです。オーナーはコロンビア人のラウラというとってもセンスの良い女性で、まだ20代後半なのですが、彼女がバッグをデザインして直接契約しているワユー族に作ってもらっているんです。
実はワユー族が作っているワユーバッグってコロンビアに行くと露天で凄く安く売ってたりするんです。でも海外での販売も含めて販売ルートに問題があって、ワユー族と企業との間に中間業者がはいっているケースが多くて、一つのバッグを作るのに凄く時間や手間が掛かるし素晴らしい技術を提供しているのに、その中間業者が入ることによって、作り手のワユーの人達にお金が少ししか渡らないという現実があって。当然の事ながらそういうのってモチベーションにも影響してくるので、雑な作りになってしまったり・・・。
その点 CHILA BAGS はそういう現実を少しでも良くしようと、オーナーのラウラが自らブランドのバッグを作ってくれるワユー族を探して、直接契約をして、仕事に見合った報酬を出すようにしているんです。私は CHILA BAGS のそう言うところも好きなので、「是非ワユー族の現状とどんなところでどんな風に作られているのかを実際に見に行きたいし、あなたに会いたい!」とラウラにメールしたら、「それなら私が契約しているワユー族の村に連れて行ってあげる」と返事が返って来て・・・コロンビアに行ったんです。

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— じゃあそのとき初めてオーナーのラウラさんにお会いしたんですね!

濱さん:そうです!そのコロンビアに行った時が初めて実際にお会いした感じで、ラウラがアテンドしてくれたのですが、北部のワユー族の暮らすエリアに行くと最低でも一泊は必要なんです。だから、初めて会ったのに一緒に旅行し
ているような感じでしたね。

— 実際にワユー族の村に行かれてどうでしたか?

濱さん:そうですね、カリブ海の近くの半島に住んでいる部族なんですが、砂漠の中で、からっからで、太陽が照りつける熱いエリアなんです。ハンモックで暮らしてる感じで。
本当にインフラ等整っていないので、中には井戸水もある村もあるらしいのですが、基本的には湖にロバと一緒に水を汲みにいく感じです。スペイン語圏に住んでいながら、ワユーナイキというワユー族独自の言語を話して、昔ながらの生活様式で暮らしていました。

— 同じ国に住んでいても全く生活や文化が違うオーナーのラウラさんと専属契約をしているワユー族の関係は?

濱さん:先ほども少し触れましたが、ラウラは中間業者を通さず直接現地の村に行って働きに見合った報酬を出しますと言ういわゆるフェアトレードの契約をしているのですが、ブランドのクオリティを保つ為にいかにしっかりと作って頂くかと言うところでは、生活の違いや仕事の考え方も含めて色々と苦労もある様です。部族の人達が安定した生活が出来るように家計管理の講義や食料の支給など生活面のサポートもしながら、お客様の元に最高のクオリティで届けられるように日々コミュニケーションを取っているそうです。

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— その後、日本の代理店になられたと言う事は、やっぱり実際にコロンビアに行ったことで、その情熱が評価されたこともあったのでしょうか?

濱さん:コロンビアに行く前までは、なかなかこちらの思いを伝えても届かない状態が続いていて、やっぱりこのバッグは見た目の可愛さにスポットライトが当たっている商品ではあるんですが、作り手のワユー族の貧困問題だったりとか、そう言ったことはなかなか伝えられていない部分でもあるので、そこも含めて私は伝えていきたいんだとラウラに話して実際に現地に行った事は評価されたと思いますし、帰国後も日本で展示会に出してすごく良い反応だったとか、こまめに報告して気持ちを盛り上げていって(笑)・・・今に至ります。

— 相手がなかなか首を立てに振ってくれない時って、気持ちが萎えてしまう事もあると思うんですけど、そんなことはなかったですか?

濱さん:そうですね。それは、それは、OK が出るまで不安で仕方がなかったです。でも今年から色んなお店で取り扱われるようになって来たバッグなんですが、その当時日本ではほとんどお店で見る事もないですし、ワユー族の存在も私自身このバッグを知るまでしらなかったので、一目惚れした事もあり、どうしても日本で正しい形で広めていきたいっていう思いがあったので。それだけをモチベーションにして頑張りましたね。

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—日本の代理店として動くようになってから、やっぱりやってよかった!と思う時はありますか?

濱さん:やっぱりオンライン上でお客様とやり取りしていた時に比べて、生の反応を知る事が出来るのが良いですね。デパートの催事などで販売させて頂く時に、事前にネット上で「CHILA BAGS ってこういう背景のバッグで、こんな取り組みをしてるんだ」と知って頂いた上で、「どんなバッグだろう?」と楽しみにいらして下さったお客様もいて。実際に手に取って頂き背景も含めて素敵なバッグなんだって事を一緒に共有出来た時、最初に CHILA BAGS に出逢った時の気持ちをそこで共感出来た気がして喜びが凄く大きくなりました。

— 日本で CHILA BAGS の代理店を始めて半年と伺いましたが、これから日本でどんな風に展開していこうと思われていますか?何か目標のようなものがあれば教えて下さい。

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濱さん:やっぱり今年は、ワユーバッグや CHILA BAGS ってどういうものなのかというところからだと思っているのですが、今後どれだけ時間が掛かるかわかりませんが、いずれは日本の伝統技術とワユー族の伝統技術のコラボレーションみたいな形で海を越えた技術の融合を実現出来たら凄く良いなぁと思っています。あとは、こちらの方で素材だけを仕入れて、日本限定の商品なんかも作っていけたらと思っています。

— 今後益々楽しみな CHILA BAGS ですが、バッグを通して伝えたい事はありますか?

濱さん:モノで溢れている時代だからこそ、見た目の可愛さだけではなくて、商品がどこからきているのかと言う部分を正しく伝えていきたいですし、工場で作られたものとは違う温かみや個性、その元になっている作り手の物語を感じながら、愛着を持って使って頂ける様に、魅力を伝えていけたらと思っています。また、 素晴らしい伝統技術を持っているにもかかわらず生活の安定に結びつかない部族の方々へ、直接日本の売り上げが還元できるようコロンビア政府にご協力頂きながら、ワユー族全体への支援の仕組みも作っていきたいと考えています。

 

 
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【インタビューを終えて】
取材時、大きな袋を抱えてやって来た濱さん。次々と見ているだけも楽しく不思議な温かさを感じる CHILA BAGS を、まるで宝物を触るように優しく丁寧に並べる姿が印象的でした。そして優しい微笑みの奥に時折見える芯の強さと行動力がキラキラした瞳に現れていてとても素敵だと感じました。—廣瀬

 

取材協力:PERMANENT MODERN AOYAMA
http://permanent-modern.tokyo/

(撮影:神ノ川智早 / 取材・文:廣瀬規子)

Noriko Hirose

編集長【写真】

Nstyle主宰。航空会社の客室乗務員から、アルマーニ・ジャパンに入社、アパレルの世界へ。その後、タレントのスタイリストとして活動。現在は“女子力”を提案するスタイルプロデューサーとしてイベントや商品のプロデュース、ファッションブランドコンサルティングをはじめ、ファッション、ビューティー、ライフスタイル情報を雑誌・ラジオ等で発信している。
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