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Vol.17[森 綾さん]人生にいくつもの保険をかけて、いろんな方向から自分の柱を築き上げることが心折れずに楽しく生きる秘訣

post date:2015.07.21

 

ゲスト: ライター 森 綾さん
ラジオ、雑誌、新聞、ウェブなどさまざまなメディアにおいて、作家、俳優、タレントなどさまざまな分野で活躍する延べ2000人以上の著名人にインタビューを経験している他、現在、講演・音楽活動も精力的に行っている。

廣瀬編集長(以下廣瀬) 
今回、『一流の女が私だけに教えてくれたこと』を出版されましたが、こちらは当初から森さんご自身の企画だったのでしょうか?

森さん 
はい。ライターとして集大成をひとつ作っておかなければと。

廣瀬 
そう思われたきっかけというのはご自身でですか? それとも周りの方から勧められたとか?

森さん 
自分の中で自分らしいものを何かひとつ残したいというのがすごく強くて。これまでにも9冊の本を出しているのですが、いずれもテーマが離婚とか夫婦別姓とかだったり、ひとつの時期の話だったので。そのことで悩んでいる人には響く本だけど、もうちょっと長いスパンで幅広い世代や層に読んでもらえるような普遍的なテーマの本を残したくて。
人生いろんな立場の人がいますけど、それでも自分を磨き続ける生き方って大事ですよっていうのを伝えたいなと思いまして。

廣瀬 
何かご苦労はありましたか?

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森さん 
原稿はすべて完成させて、お手紙を添えて、もし間違っていることがあったら、全面的に直しますのでっていうかたちで1人1人にお願いしました。
そのお手紙を書いている時が一番めげましたね。こんなので本当に許可してもらえるのかと。
ありがたいことに、皆さんにご許可をいただけて。中にはお手紙を受け取ってすぐに「頑張ってね!」とお電話いただいた方もいらしたり。

廣瀬 
それは嬉しいですね。

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森さん 
泣きましたよ~(笑)。でも、本当に一流の人っていうのはやっぱり優しいですよね。
事務所の方針とかでいろいろあったりもすると思うんですが、ご自身のほうから行動してくださる。ご自身の意志を感じましたね。とてもありがたいです。
黒柳徹子さんが『トットひとり』という著書のまえがきで書かれているんですが、有名人とかスターのエピソードとかは、誰かが残しておかないと消えてしまうものだから、そういうものを残しておくことはすごく大事だと。それは私も今回書いてみて、本当にそう思いました。

廣瀬 
長年このお仕事をされていて、森さんならではのインタビューのテクニックのようなものはありますか?

森さん 
インタビューのテクニックとしては、きっと何度も同じ質問をされてるような方には、そのストレスを和らげることをまず最初の何分かで意識しますね。
聞き方も「何度も同じこと聞かれているかと思うんですけど」とか、ちょっと控えめに。そこから入って、最後に全然関係ないこととか、怒らせるようなことを聞くと言う流れで。途中で帰られちゃったら困りますので(笑)。どう打ち解けるかが大事。

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廣瀬 
今回のように取材を受ける側だとどうですか?

森さん 
コミュニケーションの中で言葉の多い少ないの割合だけのことだから同じかなと。あんまり気にはしていないですね。相手が自分がどういう人間なのかっていうのがある程度わかることをちょこっとだけ入れたりはしますね。話のとっかかりになる程度にならいいと思います。

廣瀬 
なるほど。基本は変わらないと。確かに人と人とのコミュニケーションですよね。

森さん 
質問した相手がうーんと考えたときに間が耐えられない人が時々いるんですけど、そこでまた質問を投げるとさらに応えづらくなるっていう悪循環に陥ってしまうんです。だから待つ余裕、相手に考える時間を与える余裕を持つことですね。
まぁ、30分しかないとか時間が制約された中でのことも多いので、ある程度腹が据わらないとできてこないことなのかもしれないけど。

廣瀬 
確かに。

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森さん 
でも、相手も人だから。相手をまず人と思うことですよね。よくこの世界では「この話を取った!」、「コメントを取った!」とか、ネタを取ったと言う言い方をするんですけど、相手も人間でとか、自分も人間でっていうところから始めたら、そういう言葉は出てこないと思うんですよね。そこはもうお仕事モードになっちゃっているというか。

廣瀬 
そうですよね。なにか感じますよね。そういう圧力みたいなものというか。

森さん 
だいたいもう昔と違って、皆さんそういう場に出る時は、何か話をしなきゃと思って出てきてくださるわけですから、そういうのはあんまりね。

廣瀬 
前のめりにならず。

森さん 
そう、相手の状況をちゃんと把握して。機嫌が悪そうとか、今日はノリノリだろうとか、人間なのでいろいろありますよね。

廣瀬 
森さんは、いつも楽しそうなのに、フラットな感じですよね。
そういう印象があって、今回の著書を読ませていただいても、すごく客観的に相手の方のステキなところを的確に客観的にピックアップしていらっしゃるなと。
そして、それを読者に伝えられるだけのものをご自分の中にお持ちでいらっしゃるところがスゴイなと。
私がファンになった由縁がそこにあるのですが、昔からそういうお子さんでしたか?

森さん 
本は好きでしたね。あと身体がそれほど丈夫なほうではなくて学校を長期欠席したりとかもあったので、そういう時は家でずっと本を読んでいました。
小学校低学年の時にはもう6年生向けの本とか読んでいました。
父が物書きになりたかった人なので、次にこれを読ませてと、本当に本だけは適切に与えられた感がありますね。
活字には贅沢させてもらったかな。あとは大阪に生まれ育ったものですから、大阪の人は何か伝える時に話を盛りますよね! 
面白く伝えるというのが当たり前のように育っているので。東京来たときは本当にさびしかったです(笑)。

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廣瀬 
盛りますよね! 実は私も関西出身なんです。大阪生まれの滋賀県育ちだからすごくわかります(笑)。

森さん 
そうなんですか!? あとは大学の時にラジオアシスタントの仕事をしていましたから。
ラジオのアシスタントというのは、メインパーソナリティーの横で、相槌を打ったり、笑ったり、時々女子大生らしいコメントを返すみたいな役割なんですね。
それで最初の頃に「よくわかるように声出して笑え!」ってディレクターの人に言われて、笑う練習をしたんですよ。
だから私、ふだんから笑い声が過剰になってしまって、静かなバーとかで追い出されちゃったりとかしたり(笑)。
だからリアクションとかが身に付いちゃったところはあるかもしれないですね。

廣瀬 
そうですよね。ラジオって声じゃないと伝わらないですもんね。

森さん 
いかにキレイに上手に。言い過ぎてもよくないし、言葉のどの合間でどう入れたらキレイかというのは、常に考えていましたから、多分今でもそれはしみついているかもしれないですね。

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廣瀬 
最近はジャズシンガーとしても活動されていらっしゃいますが、そのあたりも気になります。

森さん 
歌はなんで歌っているのか自分でもわからないんですけど(笑)、高校時代からバンドをやったり自分で作ったりもしたんですね。それで、大学の4年生のとき、ジャズピアニストの先生に歌を習い始めたんです。
実はその時に、大失恋をしたり、身体を壊したり、就職がうまくいかなかったり、いろいろあってホントにボロボロだったんですけど、そういう時にジャズ好きの学長先生がジャズを聴きながらいろんな話をしてくれて。
卒業してすぐのアルバイトとかも紹介してくれたんですよ。大学の卒業生が経営している小さい会社の事務のバイトだったんですけど、タレント活動しながらそういう経験もしておいたほうが社会勉強になるからとかって。でも夢みたいなものも別に潰す必要はなくて、頑張ればいいって言ってくれて。
それがいつもジャズとともにあったから、私自身ジャズにすごく救われたっていう思いがあるんですよ。

廣瀬 
森さんの人生にジャズは欠かせないものなのですね。

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森さん 
そんな記憶がものすごくあるから、また6年ぐらい前から歌い始めたんです。それでまたちょっと苦節したことがあって、本当に落ち込んでいたんです。でもその時にまた皆さんの前で歌う機会があって、また救われた感があってたんですよ。それでもうちょっと頑張ってみようかなって感じで、憧れてた先生に一からいろいろ勉強させてもらっているところです。

廣瀬 
森さんにとって歌というのがとっても大切なんだなっていうのがすごく伝わってきました。元々書くことを本業とされているので、すごく興味があったんです。

森さん 
1個のことを突き詰めることももちろん大事なんですけど、今の世の中って、自分の中にいろんな空間とか手段とかを持っていたほうが生きやすいんじゃないかなとも思うんですよね。なにか1個のことで心折れちゃうと、もう何もできませんって立ち直れなくなってしまうので。貯金よりそういう保険を自分の中でかけたほうがいいよって、私は思いますね。

廣瀬 
最後に、森さんにとって女子力を保つための、ライフスタイルの工夫を教えてください。

森さん 
生活はちゃんとしないとね。まずは食べること。ちゃんといいもの食べてないとダメですね。
いいものっていうのは決して高いものではなくて、ちゃんと自分の身体が欲しているものを。
自分を放っておかないというのがすごく大事なことだと思っています。今日はちょっと胃の調子が悪いなと思ったらアイスコーヒー2杯飲んだせいかしら? とか、そういうことに気付くようになったほうが多分アンチエイジングとかにもつながると思います。


 

ichiryu
「一流の女が私だけに教えてくれたこと」
森 綾(著)
マガジンハウス
発売中
206ページ
定価:1,200円+税
 

 

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森綾ライブ&トークショー「Sweet after Bitter」
日時:8月21日(金)
場所:六本木クラップス
開場:18:30-
開演:1st 19:30-/2nd 21:00-
お申込み:03-6441-3171
お問い合わせ:info@nypowerhouse.com

(撮影/神ノ川 智早 取材・文/神野 恵美)

Noriko Hirose

編集長【写真】

Nstyle主宰。航空会社の客室乗務員から、アルマーニ・ジャパンに入社、アパレルの世界へ。その後、タレントのスタイリストとして活動。現在は“女子力”を提案するスタイルプロデューサーとしてイベントや商品のプロデュース、ファッションブランドコンサルティングをはじめ、ファッション、ビューティー、ライフスタイル情報を雑誌・ラジオ等で発信している。
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