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Vol.16[堤信子さん]人生とは“好きなこと”をカタチにしていくこと

post date:2015.05.01

 

ゲスト: フリーアナウンサー 堤信子さん
今年でアナウンサー歴30周年を迎える堤さん。
現在はフリーアナウンサーの活動に加え、エッセイスト、大学講師と多岐に渡り活躍。「仕事はご縁」と語る堤さんからは、たくさんのポジティブオーラが放たれていました。

廣瀬編集長(以下廣瀬)
ディスプレイされたレコードや、アンティークのインキに文具など、たくさんの雑貨に囲まれたとっても可愛らしいオフィスですね。
見たことないアイテムがたくさんでとてもワクワクします!

堤さん
ありがとうございます。文具も音楽も幼いころから大好きで…。
それが大人になっても続いているんです。
私は今年でアナウンサー歴30年なんですが、アナウンサーになったのって実は大好きな音楽の仕事をするためだったんです(笑)

廣瀬
えー?!そうだったんですか?

堤さん
東京の大学に通ってたんですが、卒業後は地元の福岡に戻るのが両親との約束で。
本当は東京でレコード会社に就職したかったんですけどね。でも、福岡にはレコード会社が無い。
どうしよう?と考えた時に、アナウンサーなら音楽番組を担当できるかも!そうしたら好きなアーティストにも会えるかもって。
そんな思いを巡らせていたら、ご縁でアナウンサー試験を受けることになって。テレビ局への就職が決まったんです。

廣瀬
夢だった音楽番組は持てたんですか?

堤さん
それが一向に私には回ってこなくて(泣)。
当時トークをメインにした音楽番組が主流でMCはタレントさんがされてたんですよね。
私も、朝の情報番組を持たせてもらってアナウンサーとしては順風満帆だったと思うんですが、やっぱりどこかもやもやしていたんです。
私は音楽番組をやりたくてアナウンサーになったんだよなって。
そこで、じっとしていても始まらない!と思い、企画書を書いて上司に提出したんです。音楽番組の。

廣瀬
素晴らしい行動力! 

堤さん
やりたかったんですよね。どうしても。
でね、その音楽番組実現したんですよ。1人で番組は作れないですから、私以外の音楽に詳しいスタッフ数人と力を合わせて。
朝の番組をやりながらだから大変だったけれど、充実してましたね。

廣瀬
一般的に考えても、アナウンサーが番組の企画書を提出するって珍しいことですよね?
堤さんのそのバイタリティはどこから湧いてくるんですか?

堤さん
やっぱり“好き”だからでしょうか? 
好きという気持ちや思いが原動力になって自分自身を動かしたんだと思います。
あと、私自身、元来“ダメもとで!”という精神なので、それもあるのかも(笑)。
大好きな文具の本を出版できたのもそうです。
好きな文具集めがこの歳まで続いていて、ネタも物もたくさんあるということを知り合いの編集者に話したのがきっかけなんですよ。

廣瀬
すごい!引き寄せですね。
文具に魅せられたのはいつ頃からなんですか?

堤さん
それこそ小学生の頃からずっと魅了され続けています。
あらゆる文具がありますが、中でも好きなのが紙と筆。
大昔は紙と筆で全てを伝えていましたよね。
恋文はもちろん、最大のメディアとして扱われていた歴史ある紙と筆にたまらなくロマンを感じるんです。

廣瀬
分かります♥
堤さんの著書「旅鞄いっぱいの京都ふたたび」の中で気になっていたのが、舞妓さんが使われる花名刺。
私もいつか作ってみたいなと憧れているんです。

堤さん
素敵ですよね、本当に。
これね、一枚一枚職人さんが手作業で作っているんですよ。
細部にまで宿った職人魂。作り手の思いが感じられるものって本当に素晴らしい。
だから私は、今どきの便利系の文具というより、歴史を感じられたり、作り手の思いを感じられるものが好きなんです。

廣瀬
同感です。
あたたかみを感じることができますよね。
数えきれない程の文具をお持ちだと思いますが、一番のお気に入りはどちらですか?

堤さん
一つに絞るのは難しいけれど、近頃、感動したのはこのエルメスの万年筆でしょうか。

廣瀬
わあ〜!初めて拝見します。

堤さん
でしょう?長いエルメスの歴史の中でも万年筆を出すのは初めてのことなんですって。
こだわりとクラフトマンシップが宿った馬具づくりからスタートした歴史あるブランドですから、このシリーズを出すまでも並々ならぬ企業努力があったんだと思います。
じゃあ、まずは書いてみてください。驚く書き味だから。

廣瀬
すごーい! 
程良い重みにするするーっと滑らかに紙の上をすべるペン先のタッチがたまりませんね。さすがエルメスですね。

堤さん
でしょう?また、インキの色も品のいいエルメスカラーなのもニクいですよね。
この素晴らしい書き味の万年筆。どこが製造を請け負ったと思いますか?
廣瀬
えーと、ヨーロッパのメーカーですか?

堤さん
いえ、日本の万年筆メーカーPILOT社が請け負っているんです。
それを知った時、日本人として誇りに思いました。それこそ日本の職人魂の賜物だなって。

廣瀬
すごい!感動します。
物にも物語があるんですね。そしてぐっと奥行きが増す感じ。

堤さん
本当そうなんですよ。物にも心があるんです。
だから物に励まされることもありますよね。
それこそ大好きな文具やレコードたちに、私は幾度となく励まされています。

廣瀬
堤さんはいつもキラキラされていて、今日も言葉ひとつひとつが力強く本当に心が元気になりました。
堤さんの輝きのもとって何ですか?

堤さん
好きなことを続けていることかな? 
私思うんです、“人生って好きなことをカタチにすること”だと。だからやりたいこと、好きなこと、興味のあることは絶対にやるべきだし、ダメもとでも言葉に出してアピールしていくべきだと思います。
人それぞれタイミングは違えど、一生懸命に仕事でも、プライベートでも過ごしていたら、その好きなことや夢をギフトのように神様がプレゼントしてくれると思うから。

廣瀬
素敵な言葉ですね。
本当堤さんはポジティブ、ポジティブ、ポジティブ、ですね!

堤さん
恐縮です。私も凹んだり、もうダメだー!って思うこともあるんですよ(笑)
でももう少しだけ、あともう少しだけって自分を奮い立たせています。
そのちょっとした負荷が自分を成長させてくれる気がします。

廣瀬
最後に、堤さん流女子力アップの秘訣を教えてください。

堤さん
なるべく自分を支えてあげる柱をたくさん持つことでしょうか。
一つのことにぐっと集中して努力することも大切だけれど、仕事でも趣味でも色んなことで自分を支えてあげる。
たくさんの柱があればどれか一つが折れても大丈夫でしょう? 
数打ちゃ当たるとはよく言ったもので、欲張りでも良いと思うんです。
興味のあること好きなこと、とにかくたくさんチャレンジしてみてください。
その中からきっとあなたに合う事柄が見つかりますし、たくさんの柱があなたを支えてくれると思うから。


 


旅鞄いっぱいの京都ふたたび ~文具と雑貨をめぐる旅
堤信子(著)
実業之日本社
2015年3月19日発売
160ページ
定価:1,500円+税
 

(撮影/神ノ川 智早 取材・文/澤村 恵)

Noriko Hirose

編集長【写真】

Nstyle主宰。航空会社の客室乗務員から、アルマーニ・ジャパンに入社、アパレルの世界へ。その後、タレントのスタイリストとして活動。現在は“女子力”を提案するスタイルプロデューサーとしてイベントや商品のプロデュース、ファッションブランドコンサルティングをはじめ、ファッション、ビューティー、ライフスタイル情報を雑誌・ラジオ等で発信している。
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