ヴィトフスカ 2011 / ヴォドピーヴェッツ
【Vitovska 2011 / Vodopivec】

 
 
「生命力、テンション、鼓動を表現すること、簡単なことじゃない、だけどそこに行きたい。」
哲学者のような言葉を紡ぎ出す彼、パオロ・ヴォドピーヴェッツ。
 
ストイックな生産者はあまたいるが、彼ほどワインに対して一切の妥協を許さない者はいないだろう。
 
 
北イタリアに位置するフリウリ=ヴェネツィア・ジュリア州、ヴォドピーヴェッツ家は代々農業を営む家系である。幼き日からぶどう畑に囲まれ、ワインとともに暮らしていたパオロにとって、ワイン作りは仕事ではなく人生そのものである。
その印象は、彼のワインに対する考えを聞けば聞くほど深まっていく。
 
 
「完璧なワインなんて存在しない、そこを目指そうと、近づこうとしているんだ。でも、それにはあまりに時間が足りなすぎる。すべてわかるなんてことはこの先もありえない。全てわかったと思った時点でそいつは終わりだ。」
 
 
周りの生産者から見れば狂気の沙汰とも思えるほど多くの時間を畑とセラーで過ごしているにもかかわらず、それでもなお時間が足りないというパオロ。
でも、彼にとってそれはなんら特別なことではない。
自分にとって大切なものは、心の静寂と平穏。ブドウ畑にいると、それが得られるんだと。
 
ワイン畑は、彼を構成する大切なファクターであり、生み出されるワインは、彼の生き方そのもの。“simple”“essential”“minimalize”
 
 
本物のワインには、人も歴史と溢れるほどのエネルギーが詰まっている。
 
 
 

 
 
 
 

大石 寿也 渋谷桜丘のレストランCUJORL / ワインブティックBouteilleのディレクター。 毎日レストランのフロアに立ちつつ、ワインを通したコミニケーションや人の繋がりを求め、様々な企画やイベントを提案しています。 – CUJORL – Bouteille

●コーナー名『Wine makes woman woman』
”ワインは女性を美しくする”