Nstyleをご覧のみなさんこんにちは。
今日は4月1日でしたね、新しい第一歩を歩み始めたみなさま、
心からおめでとうございます。

ここ最近はずっと平成最後の～と色んなところで耳にする毎日。
時代がまた一つ終わりを迎えようとしていていますね。
今日新しい元号が発表されました。
その名も【令和】
”人々が美しく心を寄せ合う中で文化が生まれ育つ”という意味が込められているそうです。
きっとどの時代も人間の進化や成長、自然の変化も著しく、様々なことが起こるのだけど、
その都度、人々が心を寄せ合い、力を合わせ、乗り越えていくことはとても大事なこと。
そしてその中で生まれる文化をいい方向にみんなで育てていくこと、これまたとてもとても大切なことですね。
名は体を表すと言いますが、私もそう信じています。
この元号と始まる新たな時代が、私たちや子どもたちの未来を優しく暖かく見守ってくれますように。

さて、昭和生まれの私は三つの時代の中で生きるということになります。
とはいえ、3歳から現在まで平成を生きた私にとっては、
平成という時代は今のところ”すべて”なわけです。

そんな平成に何が1番記憶に残っているか考えると
“たまごっち”が出てきました。
小学生の頃、爆発的に流行り、手に入らない時期があったくらい
大人気だったたまごっちは社会現象を起こしました。
毎日卵型の小さな機械の中で生きるキャラクターのお世話をするのですが、
食べすぎたら病気になるし、うんちをしたら綺麗にしてあげないといけないし、
育て方一つでグレたりもします。
小さな機械の中に生きる自分のキャラクターを、我が子のように育てあげる。
そんなオモチャに日本中が夢中になりました。

その頃、当時の担任の先生が、道徳の授業でディベートをやってみましょうと言いました。
賛成派、反対派に分かれて互いの意見を述べるディベート。
テーマは「たまごっち、思うように育たなかったらリセットボタンを押してまた最初から育てるのはアリ？」
全員どちらの意見も考えるのですが、まだ幼い私たちは一生懸命相手に伝わるように考えました。

ゲームでも命は命、私たちの人生もリセットボタンでやり直せますか？

グレたとしても、育てた側にもいけないところがあるんじゃないですか？

たかがゲーム、リセットボタン押されてもたまごっちは痛くもかゆくもないよ？

ゲームなどでバーチャルな世界が浸透してきた時代。
そんな時にしたこのディベートは、今でも私の中にとても残っています。
私たちの人生にはリセットボタンというものはありません。
リセットする気持ちで環境や生き方を変えることはできても、命はたった一つ。
後にも先にもこの心臓、この身体で生きているのです。
殴られれば痛いし、心に傷ができたらずっとそれと生きていかなきゃいけません。

”ただのオモチャ”なたまごっちを通して、当時の私たちは命の大切さを教えてもらいました。
そんな道徳の授業を受けられたことは、平成を生きた私の宝物です。

今日はそんな平成の振り返り。
もちろん、息子を産んだり、いろんなことがありました。
もしかしたら今じゃなければ思い出すのはこのたまごっちのお話ではなかったかもしれない、
とも思うのです。でも今改めて、未来を生きる人たちに伝えたいと思いました。
さぁ、あと１ヶ月の平成を一生懸命に生きましょう。

愛を込めて
AYAKA FUKANO

AYAKA FUKANO(絵描き)   東京生まれ。思春期の多感な時期をドイツで過ごし、アートに初めて触れる。 幼い頃からの感受性の強さをアートにぶつけ、世の中に溢れても困らない愛を伝える。 instagram:ayahundred   HP:http://ayakafukano.com